残念ながら親権は母親の方が有利で、父親が取りづらいのが現状です。
親権がどのように決まるのか、父親が親権を取るためにはどうすれば良いのかご紹介します。
離婚届には親権を書く親権欄があるため、離婚時には必ず親権を決めなければいけません。
民法819条1,2項
父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない。
裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の一方を親権者と定める。
引用元:e-Gov
私も離婚をするときに親権について色々調べましたが、残念ながら母親の方が有利で母親が親権を持っているケースが多いのが現状でした。
【件数】 ※総数:離婚件数
【割合(%)】※総数:離婚件数
引用元:政府統計の総合窓口
離婚時の親権を取る割合
母親9割,父親1割
でも父親が親権を取れる可能性は少なからずあり、私は奇跡的にも取ることができました。
親権を一度は母親に渡してしまうと後で取り返すことはほぼ不可能で、親権のことを理解しておくことが大切です。
それに離婚してしまうと、子供と会いたくても会えなくなってしまいます。
奥さんの浮気が原因で離婚しても、奥さんが親権を取る可能性はかなり高いです。
父親からしてみれば“ふざけるな”の一言しかありませんが、これが現実です。
あとで後悔しないためにも、私の体験談も含めお話しますので、奥さんと離婚を考えている方は読んでみてください。
親権や監護権の違いってなに?
そもそも親権とはなんなのでしょうか。
親権とは?
親権とは、未成年者の子どもを監護・養育し、その財産を管理し、その子どもの代理人として法律行為をする権利や義務のことをいいます。
引用元:アディーレ法律事務所
簡単に言えば、子供を育てたり、子供のお金を管理したりする権利のことです。
親権と似ているものに、監護権というものがあります。
監護権とは
監護権とは身上監護権ともいいますが、親権の中に含まれる権利の一つです。
監護権とは、子供と一緒に住み、育てたり、教育をしたりする権利のことで、原則としては親権を持っている親が行使します。
この監護権を行使している親は、他方の親に養育費を請求することができます。
つまり父親が親権を取れた場合、母親に養育費を申請できるということです。
養育費については、こちらで詳しくご紹介していますので参考にしてください。
親権と監護権が異なるケースとは
基本的には親権者と監護権者は同一人物になるケースがほとんどです。
しかし、なかには親権と監護権が異なるケースもあります。
例えば、親権者は母親だが、母親は病気で子供を育てられないといった場合に、父親が監護権者となり子育てをするケース
逆のパターンもなかにはあります。
しかしこれらのケースは例外のため、基本的には親権者と監護権者が同一の親になることがほとんどです。
つまり、親権を取得しない限り、子供と一緒に住める可能性がほぼなくなってしまうということです。
私は妻の浮気が原因で離婚をすれば子供の親権は取れるものだと思っていましたが、初めてこの事実を知った時、絶望的でした。
でも、絶望の中にわずかな可能性と希望があり、そのわずかな可能性にかけたことで、二人の子供の親権を取ることができました。
私が実際に子供の親権を取れた体験談などを書いていますので、父親の方は是非読んでみてくださいね。
⇒こちらからどうぞ。
親権が決まるまでの流れとは?
親権を決定するには段階的にいくつか方法があります。
協議で親権を決める
これは夫婦間の話し合いで親権を決めることになります。
夫婦間でどちらが親権を取るか話し合い、離婚届の親権欄に子どもの名前を書くだけで決まります。
例えば、妻が浮気をして子供の親権はいらないと言い、離婚届の父親の親権欄に子供の名前を書き提出すれば、父親が親権を取得したことになります。
調停で親権を決める
夫婦間の協議で話し合いがうまく進まなかった場合に、次の段階として調停になります。
これは、両者の間に家庭裁判所に入ってもらって話を進めるという方法になり、裁判官や調停委員が加わります。
両者から事情等を聞き、中立・公正な立場で話し合いを行います。
この調停には代理人として弁護士にお願いすることもできます。
その場合には委任状が必要になりますが、委任状を提出すれば弁護士が行ってくれます。
調停では、それぞれの言い分を書面にして提出しますが、自分の立場を有利にするために平気で嘘のことを書いてくるケースもあります。
実際に私の妻も嘘のことを書いた書面を平気で提出してきました。
そのために証拠が重要となります。
相手が浮気などをしている場合はその証拠もしっかりと準備しておくことが重要です。
審判で親権を決める
調停でも決着がつかなかった場合は、裁判所での審判になります。
この段階では話し合いではなく、裁判官が認めた情報を元に裁判が行われ、父親と母親のどちらに親権を渡すか決まります。
要は裁判官が親権者を決めるということですね。
この段階では、調停で提出した資料などが使われます。
相手が嘘の供述をして有利に進められないように、しっかりと証拠を掴んでおけば裁判でもこちらが有利に進めることができます。
訴訟で親権を決める
審判で親権者が決まっても不服がある場合は、訴訟になります。
これが最後のチャンスです。
訴訟を起こしても親権者が変わらない場合は、そこで諦めるしかありません。
実際に訴訟までやると弁護士費用も、時間もかかりますし、なんといってもそれぞれの生活や子供にも負担がかかってきます。
調停以上になると家庭裁判所に言ったり、審判では裁判官が判決を下すため、親権を取るためには弁護士の力も必ず必要になります。
親権が母親に行きやすい理由とは
親権は子の利益を元に考えられ決定されます。
親権に関係する子の利益とは
民法766条1項
父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。民法766条2項
前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、同項の事項を定める。引用元:e-Gov
そしてその中でもポイントとなるので、この3つです。
・母性優先の原則
・監護養育実績
・現状維持の原則
しかし必ず母親に親権が行くというわけではなく、母親に行きやすいというだけであって、父親が親権を取れないということではありません。
親権に関係する母性優先の原則とは
母性優先の原則というものがあり、法律ではありませんが子供が小さいうちは成長する過程で母性が重要という考え方です。
乳幼児であれば,授乳という身体的な問題から,母親が子供の養育者として適切と言えるでしょう。
また,身体的ダメージを受けて出産した,という『母親のみ』のプロセスもリスペクトされます。
そこで,親権者は『母親優先』という原則があります。
引用元:弁護士法人みずほ中央法律事務所
この考え方によって、子供の年齢が低ければ低いほど親権は母親にいきやすいという傾向があります。
10歳ぐらいになると子供の意思も尊重されるようになりますが、保育園や小学生低学年ぐらいは圧倒的に母親の方が有利です。
人事訴訟法32条4号
裁判所は、第一項の子の監護者の指定その他の子の監護に関する処分についての裁判又は前項の親権者の指定についての裁判をするに当たっては、子が十五歳以上であるときは、その子の陳述を聴かなければならない。
引用元:e-Gov
家事事件手続法152条2項
家庭裁判所は、子の監護に関する処分の審判(子の監護に要する費用の分担に関する処分の審判を除く。)をする場合には、第六十八条の規定により当事者の陳述を聴くほか、子(十五歳以上のものに限る。)の陳述を聴かなければならない。家事事件手続法169条2項
親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判の取消しの審判 子(十五歳以上のものに限る。)、子に対し親権を行う者、子の未成年後見人及び親権を喪失し、若しくは停止され、又は管理権を喪失した者
引用元:e-Gov
親権に関係する監護養育状況とは
親権を決める上で、監護養育の実績というものも重要視されます。
今まで、子育てをどちらが中心に行ってきたこということですね。
父親は仕事を行っているので、ほとんどの家庭では母親が子供の面倒をみている時間の方が長いです。
保育園の送迎だったり、食事、日中の子育てなど。
どうしても父親は仕事があるため子どもと接する時間が短く、不利になりやすいのが現実です。
父親が監護養育状況を述べるのであれば、父親が子育てに協力している部分をしっかりメモに残しておくことが大切です。
子供の遊んだ日や子育ての記録など、ちょっとしたことでもいいので残しておきましょう。
親権に関係する現状維持の原則とは
現状維持の原則とは、子供の生活環境の継続や安定性を考え、環境の変化は子どもにとってあまり良くないという考え方です。
『継続性の原則』とは,現状維持,現状の尊重ということです。
それまでの子供の生活環境(監護状況)が安定している場合は,この実績は重要です。
現実的な監護者と子供の継続的な心理的結びつきは保護した方が子供のためになる,と考えられているからです。
引用元:弁護士法人みずほ中央法律事務所
つまり今まで監護してきた人が、継続して見たほうが良いといことです。
しかし環境等も関わってくるため、必ずしもそうとは言えるわけではありません。
親権に関係する離婚後の生活とは
離婚後の生活も考慮されます。
父親は仕事があり、フルタイムで仕事をしなければならないことがあります。
朝が早くて帰りが遅い状況では、なかなか子育てに時間を当てることは難しいと判断されることもあります。
父親は不利になりやすいですが、子育ての時間を取るために転職をしたり、実家の両親に子育てを手伝ってもらうことでカバーできる部分もありますので、そのあたりは弁護士と相談しておくといいでしょう。
親権は父親でも取れるのか?
父親でも親権を取れるのか、これが一番気になりますよね。
結論からいうと、父親でも親権を取ることはできます。
実際に私も二人の子供の親権を取ることができました。
しかし今までご説明してきた通り、父親が親権を取ることは難しいのは現状ではあります。
母性優先の原則であったり、どうしても父親はフルタイムで仕事をしているため監護養育の実績が母親より少ないなど、不利になりやすい状況ではあります。
また、収入は父親の方が多いため有利になりやすそうですが、母親からの養育費は期待できませんし、母親の方が収入は低いのに親権を取るケースがほとんどなので、収入が高いからといってかなり有利になるわけではありません。
母性優先の原則の考え方があるため、子供の年齢が低ければ低いほど父親が親権を取ることは難しくなります。
でも、私は5歳と2歳の子供の親権を取ることができました。
私は子供の親権を取るために、かなり準備をし、自分の気持ちを押し殺してかなり我慢もしました。
もし、妻の浮気を知ったときに
「おまえ浮気しているだろ!離婚だ!親権は渡さない!」
「浮気はしていない。親権は渡さない」
このような感情で動いてしまったら、完全に妻に親権を持っていかれていたと思います。
妻が親権を取ると言い出したら、父親が親権を取ることはほぼ不可能。
父親が親権を取るための最大の切り札は、妻が浮気をして油断している間に“決定的な浮気の証拠”を掴むことです。
浮気中に子育てをおろそかにしていれば、浮気の証拠と子育てをおろそかしていた証拠を出し、証明することもできます。
調停などで、いくら口で説明しても信憑性はありません。
それに妻も浮気をしていないと平気で嘘をついてきます。
私の妻も、私が浮気の証拠をつかんでないと思い普通に嘘をついてきたので、証拠を突きつけてやりました。
正直、ふざけるなの一言しかありませんでした。
証拠がなければ父親の主張というのはかなり弱くなってしまうので、証拠を使うってなったときに困らないように決定的な証拠は掴んでおいたほうがいいです。
私の体験談になってしまいますが、本当に証拠があってよかったと今でも思っています。
そのときの実体験をこちらで書いているので、興味がある方は読んでみてくださいね。
⇒私の体験談はこちら。
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