協議離婚の場合、離婚届に証人の署名が必要ですが、実は両親以外の友人や代行サービスでも大丈夫です。
証人になる方の書き方や責任などについて徹底解説します。
離婚届を提出する際に、必ず証人となる人の署名や捺印などが必要になります。
しかし、証人なる機会もあまりないため、証人になったときの責任など気になりますよね。
今回は、実際に離婚届を出したことがある私の体験談も含め徹底解説します。
離婚届に証人が必要な理由とは
離婚届に証人が必要な理由は大きくこの2つです。
- 虚偽の離婚届ではないかどうかの確認
- 離婚する夫婦の意思決定の確認
夫婦のどちらかが一方的に離婚をしたいと思い、双方の合意ではない状態で離婚したい人が虚偽の離婚届を作成し提出してしまうことを防ぐ目的です。
また、最終的な意思決定の確認という意味もあります。
仮に離婚届に証人の署名欄がなかったらどうでしょうか。
夫婦の署名だけで離婚届を提出できてしまったら、簡単に離婚することができてしまいますよね。
学生時代の恋愛とは違い、夫婦関係を解消するということの重みを感じたり、両者の最終意思確認をする目的もあります。
離婚届の証人は両親以外でも大丈夫?
離婚届の証人を両親にお願いするケースが多いですが、実は両親以外でも大丈夫です。
20歳以上(成人)であれば、誰でも証人になってもらうことができます。
例えば、友人、親戚、子供、職場の上司や同僚など、成人していれば誰でも問題ありません。
しかし、離婚をすることを隠したくて誰にも証人をお願いすることができないケースもありますよね。
驚くかもしれませんが、そんな人のために証人代行サービスというものがあります。
離婚届の証人がいないときは、証人代行サービスがある
離婚届の証人には両親や友人にお願いするケースが多いですが、もし証人をお願いする人がいない場合は、証人の代行サービスというものがあります。
離婚届の証人代行サービスとは
証人代行サービスは、代行で離婚届の証人欄に署名や捺印をしてくれるサービスです。
離婚届を郵送し署名や捺印をしてくれたり、実際に離婚届を持っていきその場で証人の署名をしてくれたりと、方法は様々です。
これは全国どこからでも受けられるサービスなので、もし証人が見つからない場合には活用してもいいかもしれません。
離婚届の証人代行サービスの料金相場
証人代行サービスの料金の相場は5000円〜1万円ぐらいです。
証人は2名必要になりますので、1名分の証人なら3000円、2名分の証人なら5000円といったように、人数で料金が決まることが多いです。
離婚届の証人は何人必要?
離婚届の証人は2名分必要です。
2名なので、夫側1名、妻側1名って思ってしまうかもしれませんが、2名分あればいいので、必ずしも夫婦で1名ずつ証人を立てる必要はありません。
離婚届の証人に責任はある?
離婚届の証人になる際に気になるのが、責任問題ですよね。
証人になって後でなにかあった場合に責任が来るんじゃないかって思ってしまうかもしれません。
離婚届の証人になったとしても法的な責任はありません。
責任はないので、安心して証人になって大丈夫です。
しかし、1点注意が必要です。
それは虚偽の離婚届を一緒に作成をしたら罪に問われる可能性があるということです。
夫婦で作成した離婚届に署名・捺印をすることは問題ありませんが、夫婦のどちらかが一方的に離婚届を作成し、それを知った上で証人の署名をしたりしていると罪になる場合がありますので、注意が必要です。
離婚届の証人はバレる?
離婚届の証人になったことは、他の第3者にバレることはありません。
離婚届がどこかで公開されることもありませんし、安心して証人欄に記載して大丈夫です。
しかし、先ほどご紹介したように虚偽の離婚届に証人として記載した場合はバレる可能性はあります。
離婚届を提出する際に一人で行った場合は、同席していない方に離婚届が役所に提出されたという通知書が郵送されます。
つまり、虚偽の離婚届を勝手に提出しても、相手にバレてしまう可能性があります。
離婚届の証人の書き方とは?
証人の欄は離婚届の右ページにあります。
記載する項目はそれほどないので、すぐに書けてしまいます。
〜証人の記載項目〜
- 氏名
- 生年月日
- 印鑑
- 住所
- 本籍
離婚届の証人の本籍に注意
証人の記載欄には、住所の他に本籍を書く欄があります。
引っ越しなどをしていると住所と本籍がことなるケースもあるため、本籍を間違えないように念を押して確認をしておいた方がいいでしょう。
役所側でも本籍は確認するため、証人の本籍が違うことで離婚届が受理されないということにならないように注意してくださいね。
離婚届の証人の印鑑は三文判やシャチハタでもいい?
証人の印鑑が必要になりますが、実印ではなく三文判で大丈夫です。
しかし1つだけ注意点があります。
それは朱肉を使うということです。
シャチハタはゴム製の印鑑でインクを使っているため、こちらは使用不可です。
証人の捺印がシャチハタであった場合、離婚届は受理されませんので特に注意してくださいね。
証人の捺印は、三文判でも大丈夫ですが必ず朱肉を使うようにしましょう。
なぜ朱肉は良くて、シャチハタはダメな理由
朱肉を使う三文判やシャチハタはどこでも買える印鑑なのに、なぜシャチハタはダメなのか疑問に思うと思います。
その理由は、朱肉とインクの違いにあります。
朱肉は油性なのに対し、シャチハタで使っているインクは水性だからです。
油性は時間が経っても大きくは変わりませんが、水性は時間とともに薄くなってしまいます。
このような理由で、離婚届のように公的な重要書類は油性である朱肉を使わなければならないからです。
離婚届の証人の印鑑は同じでも大丈夫?
離婚届の証人の印鑑は同じではダメです。
離婚する夫婦、また証人の印鑑も全て別の物である必要があります。
夫婦どちらかの両親に証人をお願いいた場合も、それぞれ違う印鑑を押してもらわなければなりません。
同じ名字の印鑑がないからと言って、離婚届で同じ印鑑を使うことはできませんので注意してくださいね。
離婚届の捨印欄は届出印のこと
離婚届の左の方に“届出印”という欄があると思いますが、これが捨印の欄です。
離婚届を提出し、不備があって修正する際に訂正印が必要になります。
しかし、届出印の欄に印鑑を押しておけば、離婚届を一人で出しに行って修正が必要になっても訂正印を押さずに修正することができます。
1回で受理してもらえるように、届出印の欄には印鑑を押しておくといいですね。
離婚届を一人で出しても大丈夫?
離婚届を夫婦のどちらか片方が一人で提出しても問題ありません。
また特に委任状などもありません。
しかし、離婚届のすべてが記入されており、双方の署名や捺印もしっかりとされている状態が前提です。
この状態であれば一人で提出しても問題ありませんが、もし不備を修正するときのために、先ほどご紹介した届出印は押して置いた方がスムーズに手続きができます。
同席しなかった方に通知書が届く
離婚届を一人で出しに行くことは問題ありませんが、同席しなかったもう片方の方には、後日離婚届を受理した通知書が届きます。
これは虚偽の離婚届を防ぐ目的でもあります。
離婚届が提出されたあとに通知がくることで、勝手に虚偽の離婚届が出されたことを知ることができるからです。
この通知書は住民登録がされている場所に届きます。
まとめ
今回は離婚届の証人についてご説明してきました。
離婚届を提出する際に証人の部分で不備にならないように気をつけてくださいね。
【しっかりと離婚の準備できていますか?】
離婚届を出せば離婚はできますが、その後の養育費や慰謝料などしっかりと話し合いできていますか?
口約束だと、養育費など払ってくれなくなる可能性は十分あります。
養育費などをしっかりと受け取りたい方や養育費の相場などを知りたい方は、離婚前にこちらを必ず読んでみてくださいね。
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